ダンテ交響曲
Eine Symphonie zu Dantes "Divina Comedia"
(S109)


 青年時代からリストは、ダンテの「神曲」を愛読していた。1837年には、ピアノ独奏曲「ダンテを読んで」の第1稿を書いた。とにかくこうしたダンテに対するリストの情熱がこの交響曲を書かせたのだろう。
 曲は前作「ファウスト交響曲」より簡潔ながら、楽器構成の点では大規模となっていて、伝統的な交響曲と違い2つだけの楽章で出来ていて、第1楽章は「地獄」、第2楽章は「煉獄」と記されている。そして第3楽章として「神曲」のように「天国」を置く予定だったが、ワーグナーが「いかなる人間の声を用いても天国の喜ばしさを音楽で表現するのは不可能だろう」と反対したために第2楽章の終わりで「マニフィカート」を女性合唱で歌わせて第3楽章の変わりとし、これによって天国からの崇高な音楽を聞き、天国を崇める事を表明したのだった。

作曲過程

 1847年頃からすでに、この交響曲のいくつかの主要な主題をスケッチしていたようで、また当時発明されたばかりの一種の幻灯を用いて、音楽の演奏の間に映写させるスライドの画面のデザインを画家に依頼もした。しかし、演奏活動や旅行や恋愛などもあって、曲はそれから進展せず、リストはやっと1855年初夏になって本格的に作曲に着手した。同年6月2日には、ワーグナーに宛ててこの交響曲の計画を説明した手紙を送り「秋に訪問する時にはスコアをみせる事ができよう」と書いている。6月7日にはその返事としてワーグナーは上記のような3楽章に反対の手紙をだしたわけである。結局、翌年1856年7月になって書き上げられた。

初 演

 1857年11月7日に、ドレスデンの歌劇場で催された管弦楽団年金基金募集音楽会で、リスト自身の指揮で初演されたが、練習不足のため不評だった。

ディスク

シノーポリ/ドレスデン国立管弦楽団[98]。    (CD番号)G-POCG10189?

バレンボイム/ベルリン・フィル[92]live。          T-WPCS4038