巡礼の年 第3年
Annee de Pelerinage-troisieme annee
(S163)

  1. アンジェラス、守護天使への祈り  
  2. エステ荘の糸杉に、哀歌() 
  3. エステ荘の糸杉に、哀歌() 
  4. エステ荘の噴水 
  5. ものみな涙あり
    (ハンガリーの旋法による)
     
  6. 葬送行進曲 
  7. 心を高めよ 

Angelus ! Priere aux anges gardiens
Aux Cypres de la Villa d'Este
Aux Cypres de la Villa d'Este
Les jeux d'eaux a la Villa d'Este
Sont lacymae rerum

Marche funebre
Sursum corda

 この曲集はこれまでと違い若い頃に作曲した原曲もなく、50代後半から60代後半という晩年の時期に作曲したものだけあって、枯淡な作風と宗教的な色彩が強いのが特色である。演奏会用の目的と言うよりも、内容はカトリック的な聖書的または瞑想的なものが多い。作曲は全部ローマでの時代であるから、「ローマ編」とも言えるだろう。第1年「スイス」や第2年「イタリア」および補遺から40年もたったこの違いは、リストの音楽の劇的変化の大きさをも意味している。

作曲年代

 
 娘のコージマによればリストはこの巻に「糸杉としゅろの葉」という題名をつけようとしていた。第1〜4,7曲は1877年にイタリアのエステ荘で書かれ、第6曲「葬送行進曲」は1867年、第5曲「ものみな涙あり」は1872年末と考えられる。
 この中でもっとも有名なのが第4曲「エステ荘の噴水」で単独で演奏される機会も多い。また、後の20世紀の印象主義音楽のラヴェル(Maurice Ravel 1875-1937)の「水の戯れ」やドビュッシー(Claude debussy 1862-1918)の「水の反映」はこの曲に直接刺激をうけて書かれている。特にドビュッシーは1885年にローマにリストを訪ねたことがあり、後にこの「エステ荘の噴水」を聴いて、その余りに印象主義的な響きにおどろいて顔色を失ったと伝えられる。

出 版

 1883年、マインツのショット社から出版された。

ディスク
(全曲版)

ベルマン(p)[77]。     (CD番号)G-POCG3413-5(「巡礼の年」全集)